ノーベル社のインプランターです。インプランターというのは、インプラントを埋入するための専用のドリルのことです。
インプラント手術の準備のため、器材のチェックを行っているところです。
私は、インプラントの指導を多くの先生から受けましたが、その中でも、松井義郎先生には、大変にお世話になりました。
インプラントの最初の１本を、私は松井義郎先生の直接のご指導の元で埋入することができました。
その日、松井先生は私が行うインプラント埋入手術のアシスタントを務めてくださいました。
術前に「この方向で、これくらいの力で、埋入しなさい。自信をもって行えば、大丈夫、うまく行きます」と的確に教えてくださった松井先生の温かで自信にあふれた表情に励まされ、私は、最初の１本を成功させることができました。
松井先生は香川大学の教授に就任されましたが、その後も私と年賀状のやり取りをさせていただいておりました。
そんなある日、2014年5月30日に松井先生が北アルプスの槍ヶ岳で滑落してお亡くなりなったとの訃報が届きました。
ある年の松井先生からの年賀状には、「香川にうどんを食べに来てください」とありましたが、松井先生とうどんを一緒に食べることは、かなわぬことになってしまいました。
あれから３年がたちます。この時期になると、松井先生のことが思い出されます。
松井先生、私にインプラントを教えてくださいまして、ありがとうございます。
心からご冥福をお祈りいたします。
