上下の臼歯(いわゆる奥歯)がきちんと咬み合わさっていることで、人はしっかりと噛むことができ、健康寿命を延ばすことができます。しかし、ムシ歯や歯周病によって最初に失われてしまうのは臼歯の場合が多く、上下どちらかの臼歯を失うと咬合支持が失われ、咀嚼が難しくなったり、前歯に強い咬合力がかかって歯がぐらついたり折れてしまうことがあります。
「デンタルオフィスみなと」露木良治は、臼歯の代わりに前歯で咀嚼できるようになる治療方法「前歯の臼歯化」を考案しました。本治療法は、上顎前歯を臼歯のような強度にするために残った前歯を2本以上連結することで下顎前歯からの突き上げる力に耐える強度を持たせ、さらに上顎前歯の舌側に舌側咬頭様の突起を付与して臼歯と似たような咬み合わせを再現するというものです。この技工操作を効果的に行うワックスカーバー(特許出願中)を考案し、これにより誰でも標準的な形態を製作することが可能となります。
本治療法は、歯を失ってしまった時の選択肢の一つになるものです。以下に治療方法を解説します。
1<前歯の形態の臼歯化によって咬合力の方向を歯軸と一致させる>上顎前歯の舌側に舌側咬頭様の突起を付与することで臼歯と似たような咬み合わせを再現するのと同時に上顎前歯に斜めの力がかからないようにする。
2 <単根の前歯を連結固定することで前歯の複根化をはかる>2本以上の上顎前歯を前装冠で連結固定することにより、下顎前歯からの力に対し、強度を持たせる。