厄除けに三嶋大社に行ってまいりました。厄除祈願の際にパンフレットを頂戴しました。
三嶋大社の御祭神は、大山祇命(おおやまつみのみこと)と積羽八重事代主神(つみはやえことしろぬしのかみ)の二柱の神様です。大山祇命は、山の神様とのことで、古事記によればイザナギとイザナミの間に生まれた子で、天照大神の兄弟神だそうです。
積羽八重事代主神、略すと事代主神という名を目にした私は、昨年11月に訪れた諏訪大社を思い出しました。諏訪大社の春宮秋宮には建御名方神(タケミナカタ)が祀られています。はっきりとしたことはわかりませんが、事代主神は建御名方神の兄とされています。この二柱の神様は、国譲り神話に登場します。
かつて出雲の国には大国主命(おおくにぬしのみこと)が統治していた出雲王国がありました。そこに大和朝廷の軍勢がやってきて、国譲りを迫ります。回答を求められた大国主命は、長男の事代主神に委ねたところ、事代主神は自ら海に没してしまいます。おそらく無言の抗議だったのでしょう。弟の建御名方神は、命からがら信州の諏訪まで逃げて、そこで大和朝廷の追っ手に捕らえられて、幽閉されてしまいます。諏訪大社は、国譲り神話の悲しい歴史を背負った建御名方神が祀られた神社です。
三嶋大社のパンフレットによれば「東海随一の神格」である三嶋大社に、なぜ古代出雲王国の子孫である事代主神が祀られているのか、興味深いところです。何かのつながりがあるのではと古代の日本に思いを馳せます。もしかしたら、古代出雲王国の統治がこの地まで及んでいたのかもしれません。